日時:2026年4月6日 (月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)
講演者:大藤弘明 教授
場所:理学部1号館105号室
演題:フランボイダルパイライトはなぜ,どのようにして生成するのか?
要旨:フランボイダルパイライトは,堆積岩中や現世堆積物(ヘドロ)中などに自生する顕微的(<~100 μm)なパイライト(黄鉄鉱,FeS2)の木苺状の集合体で,多数のマイクロクリスタル(パイライトの単結晶)より構成される.硫酸還元が進行している場所では極めて普遍的に見られ,堆積物中におけるそのサイズ分布は還元度を示す古環境指標としても用いられている.講演者は学生時代,フランボイダルパイライトの鉱物結晶学的な記載研究を行い,マイクロクリスタルが二十面体のパッキング構造をとること発見し,単分散コロイド粒子の凝集と同様の物理過程で形成されることを示した.しかし,肝心の,そのようなサイズと形態のそろった極めて多数の微結晶が一度に生成する要因と必要条件については,解明できておらず,フランボイダルパイライトの起源と成因は謎のままとなっている.近年,講演者は再びこの問題に挑むべく,現在進行形で生成している天然環境から採取した試料の記載・分析と実験室での合成実験を進めている.発表ではその結果と進捗について紹介する.