2021年度第七回GBSセミナー(2021/12/20 18:00@ZOOM)

日時:2021年12月20日(月) 18:00~19:00(発表45分,質疑15分)

講演者:鈴木庸平 准教授

演題:生命-岩石相互作用研究の最前線

要旨:
生命の誕生には岩石と水の反応で生成する還元物質や、核酸、タンパク質、脂質等の生体分子の役割を果たすとされる粘土や金属硫化物が重要視される。深海や地底の岩石内生命圏は光合成産物から隔離される場合、光合成生物誕生前の初期地球生態系と類似すると考えられる。そのような岩石内部で、どのようにエネルギーを獲得し、生命活動を営んでいるか不明であった。しかし、試料採取技術、ゲノム解読技術、局所分析技術の近年の発達により、始原的な生命が発見され、生命の誕生で重要視される物質との関連性が明らかになりつつある。本セミナーでは、地球外からの発見も期待される岩石内生命について、地球初期から存在する岩石との相互作用について最新の科学成果を紹介する。

2021年度第六回GBSセミナー(2021/11/22 18:00@ZOOM)

日時:2021年11月22日(月) 18:00~19:00(発表45分,質疑15分)

講演者:平田岳史 教授

演題:地球メタロミクスに向けた新しい質量分析法の開発

要旨:
メタロミクス(生体金属支援機能化学)は、金属元素の役割を通じて生体機能を理解しようとする新しいオミクス研究分野です。私達は地球あるいは銀河を1つのシステムと考え、金属元素の起源や輸送過程、地球環境への影響、さらには生体内反応への影響を調べています(地球メタロミクス)。この目的のために、様々な様々な最先端計測技術の開発を続けています。本発表では、今後の地球メタロミクス研究を担う、2つの分析手法(元素の起源を探る世界で初めての高時間分解能質量分析計、生体分子を高感度かつ高感度で検出する新しい質量分析計)をご紹介します。まだ未完成の分析技術であるが、最近1年間での進歩をご紹介します。

2021年度第五回GBSセミナー(2021/10/25 18:00@ZOOM)

日時:2021年10月25日(月) 18:00~19:00(発表45分,質疑15分)

講演者:鍵裕之 教授

演題:高圧下でアミノ酸をつなげる

要旨:
高圧下では有機化合物は重合反応や脱水縮合反応を起こす。我々がこれまで研究してきた有機化合物の圧力誘起反応をレビューしたのち、アミノ酸の圧力誘起反応について紹介する。前生物学的条件でアミノ酸からペプチドを生成させる研究がこれまで行われてきたが、我々は氷天体内部の高圧条件を想定し、室温条件でアミノ酸にGPaオーダーの圧力をかけ、脱水縮合反応が起こりペプチドが生成することを見いだした。セミナーではアミノ酸の凍結濃縮、ペプチドの不斉増幅の可能性についても述べる予定である。