日時:2025年11月17日(月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)
講演者:佐々木猛智 准教授
場所:理学部1号館105号室
演題:軟体動物の生活様式と化石記録
要旨:貝類、イカ・タコ等を含む軟体動物は顕生代の全ての時代を通じて多様化した動物群であり、大型化石では最も産出量が多く、現生の海洋動物では最も種数が多い。その生活様式は、足を使って海底を這う表生匍匐型が祖先的であると推定される。次に普遍的に見られる生活様式は軟らかい海底中に潜入して生活する底質埋在型であり二枚貝に典型的である。これらの基本型から、基質穿孔型、足糸付着型、セメント質付着型、表生自由生活型、寄生(外部寄生、内部寄生)、浮遊性、遊泳性など様々な生活様式が出現し、一部は淡水に進出し、巻貝(腹足綱)は陸上進出を果たした。化石種の生活様式の推定には、生態と殻形態の対応関係を現生種で詳しく研究した上で化石標本を検討する方法が用いられる。現生種と化石種の比較を通じて軟体動物の生活様式の全体像を紹介する。