Characteristics of Carbonate Rocks
砂岩・泥岩との違い
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 少なくとも顕生代(カンブリア紀以降)に堆積した炭酸塩岩の主成分は,生物の骨格を起源としている.ある堆積場において炭酸塩が堆積するためには,生物遺骸の生産(堆積)速度が陸源珪質砕屑物 (siliciclastics) の堆積速度を上回る必要がある.ただし,炭酸塩堆積物と珪質砕屑物の堆積場は相容れない事が多い.つまり,一般に炭酸塩堆積作用が盛んな場所では珪質砕屑物は少ない傾向が認められ,逆に,珪質砕屑物が多量に堆積している場所では炭酸塩は堆積しない.この傾向は,炭酸塩を作る生物の多くが,1) 海水を吸い込んで食物を得る filter feeder(サンゴ・腕足類・海綿動物等)であるか,2) 生物自身あるいは共生する藻類の光合成によってエネルギーを得る生物(phototrophs: 石灰藻・サンゴ・シャコ貝等)であるためである.陸源の懸濁物は filter feeder の摂食効率を低下させ,光を遮断して光合成を妨害する.
 また,炭酸塩岩は生物岩としての特性や化学的な特徴を反映して,陸源の珪質砕屑岩(砂岩・泥岩)と多くの点で異なっている (左表).従って,堆積物の粒度や堆積構造をもとに環境を復元する際には注意が必要である.
>>> 狩野 彰宏
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